回天隊員と神様
回天隊の方々の遺書や手紙、日記などを拝見していると、「神」という言葉がよくでてくるな、という印象を受けます。
宗教、というよりも、そもそもの「神様」という大きな存在との距離が近いというか、当たり前のように神様のこと考えてるというか。
でもこれ、すっごく大事なことのような気がするんです。
今の私たちに足りないもの?忘れてるもの?的な。
とりあえず見つけた言葉だけでもメモ。
柿崎実少佐
「あくまで神を信じ、人を信じ、自分を信じて、苦境の中に突入してこそ、真の幸福を得る事が出来るのだ。」
(回天刊行会「回天」p.222)
前田肇少佐
「「死スハ易シ、目的達成ハ難シ」。サレド最后マデ頑張レ。必ズヤ神助アリ。」
(回天刊行会「回天」p.223)
阪本宣道一飛曹
「今日よりは神に誓ふてあだ討たん くやしみ死にしますらをのため」
(回天刊行会「回天」p.212)
水井淑夫大尉
「甘さがあるが故に人間は悩み、人間らしさを保ち、生活の潤いが出来るのだ。甘さを全肯定するわけではない。ふるいにふるって最後に残った甘さ、それは人間の裁くものではなくて、神のみが裁くのだ。しかして神は裁くを欲しないであろう。」
(回天刊行会「回天」p.251)
成瀬謙治少佐
「清冽の士唯純情無垢、敵轟沈を、小さき胸に思ひつめたる熱情、神は照覧し給ふなり。」
(回天刊行会「回天」p.268)
黒木博司少佐
「天照大神様より始まった日本、否、もっと神代の天之御中主様より分化発展したる根本一体の血族的日本、父子の道義に成立する日本。」
(吉岡勲氏著「あゝ黒木博司少佐」p.171)
塚本太郎大尉
「神ヲ敬イツツ運命ヲ蹴飛バセ。愛スル人々ノ上ニ平和ノ幸ヲ輝カシムル為ニモ」
(上原光晴氏著「「回天」に賭けた青春」p.263)
本井文哉大尉
「僕が海軍機関学校入校の時はまさに大東亜戦争勃発の年であり、卒業の際は決戦の秋であります。ちょうど神様が僕をこの戦争に間に合うようにこの世に生み出して下されました。」
(三好朗氏著「その若き命惜しまず」p.100)
原敦郎少佐
「ちはやぶる神の御前に額づきて すめら御国の弥栄祈らん」
(三好朗氏著「その若き命惜しまず」p.110)
和田稔中尉
「彼は私に、神様を教えたが、しかもその神様に固有名詞をつけなかった。それは私の気に入った。しかもまた、彼は神の唯一性を説いた。それも全く同感であった。というよりも私の今まで考えていた神の存在観念と全く一致していた。」
(和田稔中尉の日記「わだつみのこえ消えることなく」p.84)