三好守中尉の人柄
元搭乗員の予学の方々の証言を読むと、考え方の違い等あって、やはり兵学校出、機校出の士官については良く書いている方はあまり見かけません。
もちろん、そうじゃない方もいることと思います。
兵機の方と予学の方の証言、どちらも読んだ上で意見を述べると、お互いにお互いの立場を経験したことがないゆえに、分かり合う事が難しいのは当然のことだと思います。
「軍人」としての教育を受けてきた者と、「学生」として学問を学んできた者。あらゆる面が違うのは当たり前です。
立場の違いにおける問題は、兵機と予学の間だけではなく、現在の私たちでも言える事ですよね。学校や仕事での人間関係等で…
第三者から見ても、各々のものの感じ方、捉え方、考え方の違いは、どちらが合ってるとか間違っているとか、判断できるものでもありません。
本題の前置きが長くなってしまいましたが…
そんな予学の方々の証言で、よく三好さんの名が上がっている印象を受けます。
しかも内容は決まって「いい士官だった」という高評価!
予学を差別する士官が多かった中で、三好さんは差別なく「仲間」として接してくれた、と。
こういった証言を見ても、三好さんが如何に人に対する愛情が深かったかよく分かります。
また、如何に周りの人々に愛されていたかも…。
横田さんの本を見ても、三好さんは部下のために泣き、部下は三好さんのために泣いていました。こんなに愛が深い関係が軍隊にあったのか、ととても驚いた記憶があります。
隊の自己紹介でも「三好清海入道!」と言ってしまう破天荒っぷりも、人気の一つかもしれません。
兵学校73期の本に、「皇族の下級生に物怖じせず指導したのは三好だったはず…」というような内容が書かれていた(うろ覚えゆえめっちゃ要約しててすみません)ので、人目を気にせず、信念で行動ができる人だったのだと思います。
私は回天隊の方々を「愛の人(愛情深い人)」だと思っていますが、その中でも三好さんは特に「愛の人」です。
彼自身が遺した言葉は他の方に比べて少なく、本人が実際にどういう考えの持ち主だったのかということはあまりよくわかりませんが、色々な方の証言でこのことだけは確証できます。
三好さんの日記とか自啓録とか…読みたい人生だったナ…
最後に。
神津直次さんの本「人間魚雷回天」に、三好さんが宴会の席で歌ったと書かれていた「煙草屋の娘」を貼っておきます。