紫紺の空の一つ星

趣味まるだしのブログ。回天特攻隊が中心。ご来訪頂き感謝致します。

人生は障害を踏み越える闘争だ

「人生は、障害を踏み越える闘争だと言う。そうかも知れぬ。いや確かにそうだ。

一人一人がそれ相応の障害にぶつかり、それと闘いつつ、それに打ち勝って行くところに、その人その人の幸福があり、人生がある。

幸福とか人生の意義など、相対的なものではない。

人一人一人自らが創り行く、その人々の絶対的なものだ。」

(回天刊行会「回天」より)

 

この言葉は、水井淑夫少尉が高校時代の日記に書いたものです。

 

この言葉から、「人生、いかに自分自身と向き合うことが大切か」ということを学びました。

一人一人、人生で乗り越えていかなくてはいけない障害は違う。それに従ってその先の一人一人の「幸福」も違う。

自分の人生の意義も幸福も、大切なのは「自分が導き出すこと」なのです。

 

だからこそ、他人を評価したり、また評価されたりということは、あまり意味のない事です。

とある事や物が自分の人生で大事であっても、他人の人生はそうとも限らない。その逆も然り。

頭ではわかっていても、つい人と比べたり、人を評価してしまったり…

 

しかしそんな時間があったら、目の前にある壁を乗り越えなきゃな、と思いました。

自分自身の障害から目をそらさずしっかりと向き合い、闘いたいです。

 

 そして水井さん自身も、自分の人生の「障害」と向き合っていました。

 

「しからば俺の幸福はどこにあるのだ。

俺の障害は現在のメランコリーだ。

この自己卑下、自己否定、自信の喪失だ。俺はこれと闘わねばならぬ。

これを打ち破り、行く手に光明を見出すことこそ俺の高等学校生活の最高の幸福であり、高校生活の意義があるのだ。

自分の悩み、それは何でもよい。それと闘うこと、それにあるのだ。(後略)」

(回天刊行会「回天」より)

 

予学4期の方の本を読んでいて、水井さんは4期の中でも軍人タイプのお方という印象を受けていました。強気でサッパリしている、みたいな。

しかし彼はこのような障害を自覚しており、また幸福に向かってこれを乗り越えようと決意している様子が日記から分かります。

 

23歳で、回天多聞隊として南の海で散華された水井さん。

人生というものをこのように考えた彼は、自らの障害と闘い、人生を走り抜いたのだと感じました。